しょうか。「いちほまれ」は、「コシヒカリ」を生んだ福井県が開発して、平成30(2018)年に誕生した新しいお米の品種です。今回は「いちほまれ」について詳しく紹介します。
「いちほまれ」は、コシヒカリが発祥した福井県で開発されたお米の品種です。誕生した経緯や名前の由来などを紹介します。
お米の王様「コシヒカリ」は、魚沼産などがブランドとして広く知られていて、新潟県のイメージがあります。実際に「コシヒカリ」の交配が行われたのは新潟県ですが、
その後の選抜と育種が行われたのは福井県です。そのため福井県は「コシヒカリ」発祥の県と言われています。
この「コシヒカリ」を生んだ福井県農業試験場では、平成23(2011)年に「ポストコシヒカリ開発部」を新設して、コシヒカリを超える新しい品種の開発を目指しました。
この「ポストコシヒカリ開発部」が誕生させたのが「いちほまれ」です。
ポストコシヒカリの品種開発は、「おいしく(コシヒカリよりおいしい)」「環境にやさしく(有機質肥料で安定して育成する)」「作りやすい(いもち病や高温登熟に強い)」という
3つの柱を目標に設定して進められました。「いちほまれ」は、玄米の外観に優れる「富山 67 号(てんこもり)」を母に、食味と収量性に優れる「イクヒカリ」を父として交配し、
選抜を進めて平成29(2017)年から生産者を限定して試験栽培を行い、翌年の平成30(2018)年に本格的にデビューしました。
「いちほまれ」という名前は、日本全国から集まった100,000件を超える応募の中から選ばれました。「日本一(いち)美味しい、誉れ(ほまれ)高きお米」になって欲しいという
思いが込められています。
福井県は、県東部に霊峰白山をはじめとする標高1,000m以上の山々が連なっていて、その雪解け水が土地を潤しています。九頭竜川や足羽川などの川が運ぶ豊かな水と肥沃な土に
恵まれており、米作りに最適の自然環境が揃っています。
「コシヒカリ」を超える品種として開発された「いちほまれ」ですが、どのような味の特徴があるのでしょうか。
「いちほまれ」の特徴には、「絹のような白さと艶」「口に広がる優しい甘さ」「粒感と粘りの最高の調和」が挙げられ、粒感(弾力)とモチモチ感の両方が楽しめる
新しい食感のお米です。
炊きたてがおいしいのはもちろんですが、冷めてもおいしいのも「いちほまれ」の特徴でお弁当やおにぎりにも向いています。
「コシヒカリ」が品種として登録されたのは昭和31(1956)年で、すでに登場してから60年以上が経っています。しかし、現在も全国で広く栽培されていてお米の品種別作付け面積の
シェアは33.4%と全体のおよそ1/3が「コシヒカリ」です。「コシヒカリ」は、お米特有の甘みとねばり気が強く、香り、つやともにバランスが良いお米です。
この「コシヒカリ」を超える新しい品種として開発された「いちほまれ」は、ごはんとして炊いた時の白さやつやが「コシヒカリ」と比べて優れています。また、味やねばり、
弾力も「コシヒカリ」より良いという評価になっています。
参考:米穀安定供給確保支援機構「日本で多く栽培されているお米の品種を教えてください」
ふくいブランド米推進協議会のホームページには、「いちほまれ」の美味しい炊き方が動画で紹介されています。参考にしてください。
①お米を正確に量ります お米は計量カップを使って正確に量って下さい。
②軽くかき混ぜて素早く水を捨てます(すすぎ①) 浄水器の水かミネラルウォーター(軟水)をたっぷり注ぎ、軽くかき混ぜて素早く水を捨てます。【所要時間は10秒程度】次に、水道水を入れ、軽くかき混ぜて素早く水を捨てます。
③お米を研ぐ すすぎ①の水切りが終わったら、水を加えずに指を広げて、シャカシャカと音を立てるように15回程度かき回します(洗う)
④すすぎ② お米の研ぎ汁がボウルの下に溜まってきたら素早く水を入れ2~3回かき混ぜ、研ぎ汁を薄めてから捨てます。お米の量に応じて、洗い、すすぎを2~3回繰り返します。
⑤チェック すすぎ終わった後に水を入れ、薄く濁っている程度なら研ぎは終わりです。濁りが気になるという場合は、すすぎのみを数回繰り返してください。
⑥水の量 初めての時は目盛り通りの水加減で炊いてみてください。2回目以降はお好みの水加減にしましょう。若干少なめの水の量がおすすめです。
⑦炊飯 浄水器の水かミネラルウォーター(軟水)を入れ炊飯します。
⑧炊き上がったら 炊き上がったら素早く切り混ぜ、余分な水分を飛ばします。 |
日本穀物検定協会が発表している「お米の食味ランキング」で、福井県の「いちほまれ」は令和元年と2年、4年と5年、令和に入り計4回で最高評価の「特A」を獲得しています。
「お米の食味ランキング」は、昭和46年産米から毎年全国規模の産地品種について実施されています。ランクは複数産地の「コシヒカリ」のブレンド米を基準として、
これとおおむね同等のものを「A’」、特に良好なものを「特A」、良好なものを「A」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」として評価しています。
同じ「コシヒカリ」であっても「特A」を獲得している産地もあります。ぜひ「いちほまれ」と「コシヒカリ」を食べ比べしてみてください。
「いちほまれ」は、「コシヒカリ」を生んだ福井県が誕生させた「コシヒカリ」を超えるお米です。デビューしたのは平成30(2018)年と新しいお米なので、
まだ食べたことがないという方も多いかもしれません。味わったことがない人は、ぜひ一度試してみてください。
正しい保存方法でお米の美味しさをキープ! 真空パックも過信しないで!