お米には、一般的によく食べられる精白米のほか、健康指向の方を中心によく知られる玄米、精米の程度を調整した分づき米などがあります。一方で、あまり知られてはいませんが、これらとはまた異なる方法で精米されたお米に「胚芽精米(胚芽米)」というものがあり、栄養面でも消化・吸収の面でも優れたお米です。 今回は、そんな胚芽精米の特徴やメリットについて解説します。
胚芽精米(胚芽米)ってどんなお米?
そもそも、胚芽精米とはどんなお米のことなのでしょうか。まずは玄米・白米との違い、歴史についてご紹介します。
胚芽精米(胚芽米)とは
胚芽精米とは、玄米から「ぬか層」を取り除いたお米のことを言います。胚芽は残っていますが、ぬか層は取り除かれているので、食べにくさや硬さは少ないのに胚芽の栄養素は残されている、という優れもの。精白米と比べてビタミンB1は約4倍、ビタミンEは約5倍、食物繊維は約3倍と豊富な栄養素 を含みます。
玄米・白米とはどう違う?
では、胚芽精米は玄米・白米と比べ、どのような違いがあるでしょうか。

・玄米:収穫したお米から外側の殻部分「もみがら」を除いた状態。精米していない
・胚芽精米(胚芽米):胚芽だけ残して精米したお米。胚芽米の中で胚芽保有率80%以上のものを特に胚芽精米という
・白米:胚芽精米から胚芽をすべて除いた状態の精米

※厳密には、胚芽米の製法で作られたもので胚芽保有率が80%以上、というお米を「胚芽精米」として区別することが法で定められているが、今では一般的に区別なく使われることも多い。
分づき米とはどう違う?
「分づき米」はとは、玄米を白米に精米する段階を途中で止めたもので、「3分づき米」「5分づき米」「7分づき米」などと呼ばれます。一方で、胚芽精米はぬか層だけを取り除いて精米したものです。

玄米・白米・胚芽精米(胚芽米)の栄養素については、こちらの記事で詳しく解説しています。
「健康にいいお米の種類とは?玄米や雑穀米を食べた方がいいの? 」
「栄養が豊富と聞きましたが、『分づき米』『胚芽米』って何ですか? 」
胚芽精米の歴史は古い!?
現代ではビタミンB1不足として知られる「脚気(かっけ)」は、江戸時代に大名がかかる「江戸患い」という贅沢病の一種として知られ始めました。やがて明治になると、全国的に電化が進んだことによって大量の玄米を一度に精米できるようになり、精白米が庶民の食卓にもあがるようになりました。

しかし、それと同時に「脚気」も全国に蔓延してしまったのです。 明治〜昭和初期にかけて原因の論争があったものの、「胚芽米常用」を提唱した島薗教授の手により、昭和7年(1932年) に臨床試験で「脚気の原因はビタミンB1不足である」と証明されました。そして、陸海軍を中心とした胚芽米の常食により、ついに脚気は撲滅されたのです。1977年からは胚芽精米となり、さらに1997年からは現在の胚芽精米の販売基準が作られ、現在に至ります。
胚芽精米を食べるとどんなメリットがある?

では、胚芽精米を食べるとどのようなメリットがあるのでしょうか。胚芽精米の特徴や、驚くべきパワーについても詳しく見ていきましょう。
胚芽精米の特徴って?
胚芽精米は玄米と比べて消化しやすく、かつ、栄養を損なわずに白米のおいしさを追求したお米と言えます。もちろん、普通の白米と同じように炊飯器で手軽に炊けるので、日々の食事に胚芽精米を取り入れるのもおすすめです。 近年注目を集めている機能成分の「GABA」が含まれた、胚芽部分を80%以上残した状態で精米しているほか、食物繊維が多く含まれているので便秘改善にも効果が期待できます。
胚芽精米は「総合ビタミン剤カプセル」!
胚芽精米の効能はそれだけでなく、脳にもエネルギー源として優秀だと考えられています。脳のエネルギーはブドウ糖(糖質)ですが、ブドウ糖だけを食べてもエネルギーに変換できません。ブドウ糖が完全に燃焼し、脳のエネルギーとなるためには「ビタミンB1」の働きが重要です。 そのため、ビタミンB1が不足すると以下のような悪影響を及ぼすこともあります。

・集中力がなくなる
・全身がけだるくなる
・イライラがつのりやすく、キレやすくなる

女子栄養大学の五明名誉教授は、「ブドウ糖とビタミンB1を豊富に持つ『胚芽精米』は、まさに理想的なお米」と明言し、毎日の食事として食べることを推奨しています。胚芽精米には、ビタミンB1のほか身体の成長を促すビタミンB2、タンパク質の代謝に欠かせないビタミンB6、抗酸化作用を持ち細胞を若く保つビタミンEなどのビタミンが豊富です。大人はもちろん、育ち盛りで勉強が仕事のお子様にこそ、胚芽精米が重要だと言えるでしょう。

五明名誉教授のインタビュー記事子供の集中力を引き出そう!女子栄養大学が推奨する「はいが精米」とは? は、農林水産省米の消費拡大情報サイト『やっぱりごはんでしょ!』でも取り上げられました。ぜひ、両記事・サイトもチェックしてみてください。
ごはん彩々おすすめ胚芽精米
ごはん彩々では、以下の胚芽精米を取り扱っています。

●山形県産「はえぬき」
際立つ白さ、程よい粘りと旨みで毎日美味しく食べられます。臭みも気にならず、胚芽精米をこれからスタートする人にも食べやすい商品です。
詳しくは「商品紹介ページ」をご参照ください。
●山形県産「はえぬき」無洗米
前述のはえぬきの無洗米バージョンがこちら。忙しい方や環境対策が気になる方におすすめの胚芽精米です。
詳しくは「商品紹介ページ」をご参照ください。
●特別栽培米 山形県産「つや姫」無洗米

農薬・化学肥料を5割以上削減して作られた特別栽培米のつや姫は、濃い味のおかずやプチプチした魚卵、ふりかけなどとも相性が良いのが特徴です。より美味しく自然指向の胚芽精米を食べたい方はぜひこちらを試してみてください。
詳しくは「商品紹介ページ」をご参照ください。
まとめ
胚芽精米は玄米に比べて消化・吸収がよく、白米に比べて栄養価が高い優れたお米です。特に、脳のエネルギー源となる「ブドウ糖(糖質)」と、その糖質をエネルギーに変換する「ビタミンB1」を同時に含むので、重要な栄養源となってくれます。ぜひ、毎日のご飯に胚芽精米を取り入れてはいかがでしょうか。

(ごはん彩々・おいしいごはん研究チーム)
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