世界中で生産されているお米には、大きく分けてジャポニカ米・インディカ米・ジャバニカ米の3種類があります。日本で1993年に起こった米不足のときに海外から輸入されたのは主に「インディカ米」ですが、日本で多く食べられているのは「ジャポニカ米」という種類です。
今回は、それぞれの違いや、日本で好まれる理由などについて見ていきましょう。
世界で栽培され、食べられているお米には、大きく分けて「ジャポニカ米」「インディカ米」「ジャバニカ米」の3種類があります。
ジャポニカ米は日本・朝鮮半島・中国東北部・ヨーロッパの一部などで主に作られていて、短く円形に近い形状と、炊くと粘りとツヤが出るという特徴があります。最近ではアメリカやオーストラリアでも栽培されていますが、これは日本などの米を主食とする国に輸出するために栽培されているものです。
世界のお米の生産量の2割がジャポニカ米とされており、日本と同じように「炊く」という調理法で食べる地域が多い傾向にあります。栽培に適しているのは北緯30度以北、南緯30度以南といった日照時間が長く、適度な気温の地域です。
日本ではジャポニカ米が主流ですが、世界で最も生産量が多くメジャーなお米は「インディカ米」です。中国の中南部・タイ・ベトナム・インド・マレーシア・バングラデシュ・フィリピン・アメリカ南部など広い地域で栽培されており、細長い形状と、炊くとパサパサしてピラフやカレーによく合う特徴があります。
世界のお米の生産量の8割以上を占め、ジャポニカ米よりも気温が高い熱帯や亜熱帯の地域での栽培が盛んです。日本では1993年の米不足の際に緊急輸入され、ジャポニカ米と同じように食べてしまい「美味しくない」というイメージを持つ人も少なくないのですが、パエリアやピラフなど合った料理に使えば美味しく食べられます。
さらに細かい品種ごとに分類すると、約10万種ものお米があります。海外ではお米の形によって長粒種・中粒種・短粒種として分類しますが、日本で栽培されているお米のほとんどは短粒種のジャポニカ米です。
世界でお米が作られている面積は約1億5千万ヘクタールで、そのうち約90%がアジアに集中しています。世界で一番お米がとれるのは中国、二番目はインド、その後に東南アジア・南アジア、ブラジル、日本と続きますが、アメリカでも日本や中国などアジア圏への輸出用にお米が作られているのです。
ここまでご紹介してきたように、日本で古くから親しまれてきたお米は「ジャポニカ米」です。そこで、最後にジャポニカ米の特徴について詳しくご紹介しましょう。
日本でお米が作られ始めたのは約3000年以上も前、縄文時代からと分かっています。雨が多い季節と雨が少ない季節がはっきりしている日本の気候が、お米づくりに適していたのでしょう。
炊いたお米の食味がよく、冷めても味が劣化しにくいことからおにぎり・寿司・弁当などの食文化とマッチしたことや、粘り気によって噛めば噛むほど甘みが増してくることが挙げられます。さらに日本の気候として、ジャポニカ米の方が合っていたこと、味が美味しいと感じられたことなどがジャポニカ米を定着させたのではないかと考えられているそうです。
おかずとご飯を一緒に食べて口の中で混ぜ合わせるという「口中調味」を前提として発展してきたのが和食です。また、日本食に使われる各種調味料である味噌・醤油・酢・みりんなどはいずれも米が原料であり、日本酒などにも使われています。
口内調味に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
日本で作られているジャポニカ種は生産量も多く、種類が豊富です。有名なものはコシヒカリ、あきたこまち、ササニシキ、ひとめぼれ、キヌヒカリ、ミルキークイーン、つや姫、ヒノヒカリなど。
日本で作られているお米について詳しく知りたい方は、「おいしいお米の選び方とは?自分好みのブランドや種類を見つけよう」や、「お米は種類によって特徴がある!有名なお米の特徴を知ろう」の記事で詳しく解説しています。
世界で最も多く栽培されているのはインディカ米ですが、日本では日本人の味の好みや食文化に合うジャポニカ米が好まれています。日本のジャポニカ米は生産量も多く、種類が豊富なのでぜひ調べてみてはいかがでしょうか。
(ごはん彩々・おいしいごはん研究チーム)
お米は種類によって特徴がある!有名なお米の特徴を知ろう