離乳食や病人食として古くから食べられているほか、近年では低カロリーな主食としてダイエットにも人気のお粥。では、お粥にはどんな栄養があり、実際に健康にどんな効果が期待できるのでしょうか。今回は、お粥に含まれる栄養や効果を中心に、鎌倉時代の禅僧が発見したお粥の10の効能についても併せてご紹介します。

お粥にはどんな種類がある?
お粥には、大きく分けて入れ粥、炊き粥、重湯の3つの種類があります。

・入れ粥…ごはんを水で煮て、柔らかくしたもの
・炊き粥…生米を水で煮て、柔らかくしたもの
・重湯…お粥を作ったときの上澄み液

お粥の種類や名前は、水の量でも変わります。
お粥(かゆ)は水の量で名前が変わる!基本の作り方をおさえよう

ただし、いずれも材料は米と水なので、含まれる栄養素はそこまで大きく変わりません。次章で詳しく紹介します。

お粥に含まれる栄養素と、お粥の効果
ここでは、お粥に含まれる栄養素と、お粥の効果についてご紹介します。

ほとんどが炭水化物
お粥に含まれる栄養素の量は、お米と水の量の違いによっても異なります。「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の「全粥・精白米」100gあたりの主な栄養素は、以下のようになっています。

炭水化物…15.7g
タンパク質…1.1g
脂質、食物繊維…0.1g

ごく微量のミネラルやビタミンもありますが、ほとんどが炭水化物です。また、水分量が多く100gあたり白米は156キロカロリー、全粥は65キロカロリーとカロリーが少ないのも特徴です。つまり、お粥はダイエットにも良いでしょう。ただし、胃腸が弱っているときの食事や、病人食としてカロリーが少ないのは注意が必要です。
そこで、食材をプラスし、たんぱく質を補うなど栄養バランスを整えると良いでしょう。足りない五大栄養素のうち、心身の健康に重要なタンパク質、ビタミン、ミネラルなどを補うのがおすすめです。具体的には、肉・魚・大豆・卵・乳製品などでタンパク質を追加したり、野菜やキノコ類などでビタミン・ミネラルを追加したりします。クエン酸の豊富な梅干しも、唾液を出させて消化を助けてくれるためおすすめです。

お粥は健康や身体にいい!
普通に炊いたごはんを食べるのと比べて吸収が早く、消化が良いため、内臓に負担をかけることなくエネルギーを摂取できます。水分量によってかたさを調節できるため、胃腸がつらいときや病気のときには重湯や、水分量の多いお粥を食べるのがおすすめです。整腸作用も期待できます。

かたさを調整し、徐々に固形物に慣れるための入院食・病人食としても良いでしょう。玄米粥、炒り玄米粥などの場合は食物繊維が多くなる反面、精白米と比べると消化には悪いので注意が必要です。

胃腸を温め、免疫力を高められるのもお粥のメリットです。人間の身体は、体温が下がると免疫細胞の働きが低下し、免疫機能も低下します。つまり、体温を上げることで免疫細胞が活性化すれば、免疫力を高められる可能性もあるでしょう。

お粥には10の効能がある!?「赴粥飯法」とは
お粥の10の効能を記した「赴粥飯法」(「ふしょくはんぼう」または「ふしゅくはんぼう」)という書物があります。「赴粥飯法」に記されたお粥の効能についてご紹介します。

赴粥飯法って?
「赴粥飯法」とは、曹洞宗の開祖である道元(鎌倉時代の禅僧)が永平寺において修行僧たちに説いた教えで、食事をいただく際の修行僧の心構えを記した書物です。食事の際、どのように部屋に入るか、食事作法の一挙手一投足、食器をきれいにして部屋から出るまで細かく記されています。

「隣の人の器を覗き込まない」「食べる時にすすらない」「口いっぱいに食べ物を詰め込まない」なども記されていて、現代でも通じる食事の作法の教えと言えるでしょう。

赴粥飯法が教える、お粥の10の効能
赴粥飯法には、お粥の10の効能として以下のことが挙げられています。

<粥有十利(しゅうゆうじり)>
1.色 (肌の色艶をよくする)
2.力 (気力が増す)
3.寿 (寿命が延びる)
4.楽 (食べ過ぎになることがなく、体が楽になる)
5.詞清辯(ししょうべん) (血流がよくなり頭が冴え、言葉もなめらかになる)
6.宿食除 (胸やけをしない)
7.風除 (風邪を引かない)
8.飢消(きしょう) (飢えを満たす)
9.渇消 (かっしょう)(喉の渇きを潤す)
10.大小便調適 (便通がよくなる)

例えば、「渇消」や「楽」、「大小便調適」はわかりやすいでしょう。お粥は水分が多いため、喉の渇きを癒せるだけでなく、カロリーを抑えて食べる量を抑えやすくなります。水分の多さは便通にも良い影響をもたらすでしょう。

また、食べ過ぎなければ胸焼けもせず(宿食除)、生活習慣病にもかかりにくくなることから寿命が伸びたり(寿)、血流が良くなって頭が冴えたり(詞清辯)する効果も期待できます。これらの効果によって健康が維持・増進できれば、肌の色艶が良くなったり(色)、気力が増したり(力)、風邪を引かなくなったり(風除)することもあるでしょう。

「赴粥飯法」に記された永平寺のレトルトお粥が市販されていますので、ぜひ食べてみてはいかがでしょうか。


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まとめ
お粥には入れ粥・炊き粥・重湯などの種類がありますが、いずれも米+水なので、含まれる栄養素の種類に大きな違いはありません。ただし、水分量が多くなればなるほど栄養分もカロリーも少なくなっていくため、病人食など栄養が必要な人が食べる場合は注意が必要です。「赴粥飯法」にも記されているようにさまざまな効果が期待できるお粥を、ぜひ美味しく食べましょう。

(おいしいごはん研究チーム)
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