体調が悪くごはんが食べられないときや赤ちゃんの離乳食がわりにするときなど、お粥を食べる機会があるでしょう。古くから親しまれているお粥ですが、水とお米の分量で名前が変わることをご存知でしょうか。今回は、水の量で変わるお粥の名前と、基本的な作り方についてご紹介します。お粥を作るとき、水の量を意識してみてはいかがでしょうか。

お粥とは?
お粥は、お米や麦、粟、ソバなどの穀類、豆類、芋類などを多めの水で柔らかくなるまで煮込んだ料理のことを指します。水の量が多く、素材も柔らかく、温かい食べ物であることから、病気のときに食べることが多いでしょう。また、整腸作用などでも知られ、最近では胃腸が弱っているときだけでなく、ダイエット目的で食べる方も増えてきています。栄養価の高い玄米粥、炒り玄米のお粥も人気です。

一般的にお粥といえば、米を水で柔らかく煮込んだものです。生米から煮ると「炊き粥」、米を炊いた後のごはんから煮ると「入れ粥」と名称が変わります。どちらも必要なのは米と水のみですが、野菜などを入れてアレンジすることもあります。一般的な鍋でも作れますが、土鍋で作っても美味しいです。

朝食などお粥を作っている時間がない場合、レトルトのお粥もおすすめです。お粥で有名な永平寺から、レトルトのお粥も販売されていますので、ぜひ試してみてください。

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水の量によるお粥の違いと作り方
お粥は水の量によって名前が変わります。食感や食べやすさも異なりますが、基本の作り方は以下のように同じです。材料の分量が異なりますので、下記をご参照ください。ここでは、基本の分量をご紹介しますので、作りたい量に合わせて分量を調節してください。

<作り方>
1.米を研ぎ、鍋に入れる(または、ごはんを直接鍋に入れる)。
2.分量の水を注ぐ。
3.鍋を中火にかけ、表面が白く煮立ってきたら、しゃもじで鍋底に米がつかないよう混ぜ合わせる。
4.沸騰したら弱火にし、箸1本程度の隙間をあけて蓋をする。
5.好みのかたさになれば、完成。

好みのかたさになるのに、生米から作る場合は20〜30分、ごはんから作る場合は5〜10分程度が目安です。煮込む時間はお好みで調整してください。

五倍粥(全粥)
「五倍粥」とは、米の量に対して水の量が5倍必要ということです。全粥という名前はお粥の上澄み液(重湯)がないことから呼ばれています。

<材料(生米から作る場合)>
米…100g
水…500cc

<材料(ごはんから作る場合)>
ごはん…150g
水…300cc

七倍粥(七分粥)
「七倍粥」とは、米の量に対して水の量が7倍必要ということです。分量がそのまま名前になっています。

<材料(生米から作る場合)>
米…70g
水…500cc

<材料(ごはんから作る場合)>
ごはん…100g
水…300cc

十倍粥(五分粥)
「十倍粥」とは、米の量に対して水の量が10倍必要ということです。出来上がりはお粥:重湯が5:5になることから、「五分粥」とも呼ばれています。

<材料(生米から作る場合)>
米…50g
水…500cc

<材料(ごはんから作る場合)>
ごはん…100g
水…400cc

二十粥(三分粥)
「二十粥」とは、米の量に対して水の量が20倍必要ということです。出来上がりはお粥:重湯が3:7になることから、「三分粥」とも呼ばれています。

<材料(生米から作る場合)>
米…20g
水…400cc

<材料(ごはんから作る場合)>
ごはん…50g
水…400cc

重湯
重湯とは、「五倍粥(全粥)」の項目で紹介したようにお粥の上澄み液のことです。上澄みを多く作りたい場合は、「二十粥」などを作ってその上澄み液を飲みましょう。固形物の取り除き方の手順は以下の通りです。

1.「十倍粥」、「二十粥」など水分量の多い粥を作る。
2.お粥ができたら、ガーゼなどの薄布で濾して米粒を取り除く。
3.塩を加えて味を整えたら、完成。

重湯はゼリーなどの代わりとして、離乳食や病人食のほか、食べたり飲んだりするのに困難を伴う嚥下(えんげ)障害のある高齢者などの食事になることも多いです。

ここではすべて「g」で紹介していますが、生米から作る場合、「合」で測った方が測りやすい場合もあります。「合」と「g」の変換については、以下の記事をご参照ください。
お米の1kgって何合のこと?市販のお米はお茶碗何杯分?

炊飯器でお粥を作る作り方
炊飯器でもお粥を作ることができます。多くの炊飯器には「お粥モード」が用意されているので、規定の分量を入れてスイッチを入れればOKです。炊飯器によって作れるお粥の種類も「五倍粥」、「七倍粥」などさまざまです。水分量は、各炊飯器の取り扱い説明書を確認しましょう。

まとめ
お粥は米の量と水の量の比率で名前が変わります。同じお粥でも、生米から炊く場合と、ごはんを煮る場合で分量が変わるため、実際にお粥を作る際には注意しましょう。生米を「合」で測る場合は、「合」と「g」の変換記事も参照してください。ぜひ、好みの柔らかさ、食べやすさのお粥を食べましょう。

(おいしいごはん研究チーム)
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