お米は2kgや5kg、10kgなどkg単位で販売されていることが多いですが、炊飯器などの計算単位は「合」です。では、お米の「1kg」とはいったい何合のことなのでしょうか。お米は古くから日本で親しまれてきた主食です。そのため、日本独自の単位や数え方が発展しており、さまざまな量り方があるのです。そこで、今回はお米にまつわる単位を詳しく解説します。

お米の1kgは何合のこと?
解説に入る前に、まず「kg」は重さの単位であり、「合」は体積(かさ)の単位であることを理解しましょう。つまり、「合」と「kg」は同じものをはかる単位ではありません。これを念頭に置き、先に普段あまり馴染みのない「合」という単位について解説します。

「合」とは日本を含む東アジアで使われる単位系の一つ「尺貫法」に含まれる、体積を表す単位のことです。長さを尺、質量≒重さを貫で表すので「尺貫法」と呼ばれます。日本における尺貫法の体積の単位は、石・斗・升・合・勺で、1升を基準とし、以下のように表されます。

1石=10斗=100升
1斗=10升
1合=1/10升
1勺=1/10合=1/100升

明治時代にメートル法が入ってきた際、1升=約1.8039リットルと定められました。そのため、1合は約0.18039リットル(約180.39ミリリットル)ということになります。つまり、お米1合とは体積で約180mLのことであると言い換えられます。

これを踏まえると、炊く前の白米1合(約180mL)は約150gと換算できます。ただし、これはあくまでも平均的な白米の重さで考えた場合であり、新米や古米など状態の違い、玄米や発芽米など精米状態の違いなどによっても重さは多少異なることに注意しましょう。
以上のことから、お米1kg(=1000g)を合に換算するには、以下のように計算すればよいとわかります。

1kg ÷ 150g = 6.66666…

つまり、1kgのお米は約6.7合です。

市販のお米は何合?
ここで、よく市販されている2kg、5kg、10kgについても何合分か計算しておくと、以下のようになります。

2kg…約13.3合
5kg…約33.3合
10kg…約66.7合

例えば、1日あたり家族で5合のお米を消費する家なら、10kgのお米を買うと13〜14日くらいで消費するということです。

ちなみに計量カップでお米をはかる場合、お米用の計量カップ1杯は1合分に合わせて180mLで作られているため、お米用の計量カップ1杯は150gです。ただし、近年、人気の高い大粒のお米の場合、140g前後になることが多いため、150gにならないこともあります。料理用の計量カップ1杯は200mLなので、計算すると以下のようになります。

150÷180×200=166.6…≒167g

すなわち、料理用の計量カップ1杯分のお米は167gです。

1袋や1俵って?お酒の単位とは違うの?
その他、お米にまつわる単位について解説します。まず、米屋の店先にある大きな袋(約30kg)の場合、約200合です。米俵の「1俵」は約60kgなので、約400合とわかります。

日本酒などお酒の「1合」も当然、お米と同じ体積の単位で、全く同じ「体積」を表します。お酒はアルコールの含有量が増えるほど比重も軽くなります。ただし、一般的に飲まれるような20度くらいまでのお酒なら比重は水よりやや軽い程度(水が1なのに対して0.97くらい)なので、おおむね180mL=180gと考えてよいでしょう。

お米が水より重いのに体積分の重さが軽くなるのは、形状が粒である以上、体積を容器に入れてはかる際に隙間が生じるためです。つまり、お米をより正確にはかるには、体積ではかるより重さではかった方がよいとわかります。

正しいはかり方、計量カップがないときのはかり方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
お米を正しく計量する方法って?計量カップがないときの測り方は?

お米1kgは茶碗何杯分?
では、お米1kgはお茶碗何杯分にあたるのでしょうか。こちらも1合と同じように、計算してみましょう。

お米1合を炊くと、重さはどう変わる?
お米は炊くと水を吸います。そもそも炊飯前に浸漬(水を吸わせる)していれば、十分に浸漬した後のお米は1合あたり約200gとされています。さらにお米を炊くと約300g〜350gになるとされていますが、これはお米の品種や新米・古米、水の硬度、気温などで微妙に変わります。

なお、このときのカロリーや糖質量を精白米100gの成分から計算してみると、以下のようになります。

■カロリー
精白米100gあたり…356kcal
精白米1合(150g)あたり…356×1.5 = 534kcal

■糖質量(炭水化物量−食物繊維量)
精白米100gあたり…77.1g
精白米1合(150g)あたり…77.1×1.5 = 115.65g

出典:「日本食品標準成分表2020年版

お茶碗1杯はお米何合分?ごはんの値段は?
お米を炊いたらお茶碗によそって食べますが、一般的にお茶碗によそえるお米の重さは約150gとされています。炊飯後のお米1合が約300〜350gなので、お茶碗1杯分のごはんになるお米は、約0.5合です。お米1kgは約6.7合と初めに計算しましたが、これで考えるとお米1kgはおよそお茶碗13杯半ということがわかります(6.7÷0.5=13.4)。

さて、ここでお茶碗1杯のごはんの値段を考えてみましょう。お茶碗1杯に使われるお米は0.5合、すなわち75gくらいと言えます。5kgのお米の値段は2,000円代が相場なので、5kgで2,000円のお米で計算してみると、75gのお米は以下のように計算できます。

2,000÷5,000×75=30円

お茶碗1杯分の重さをパンで食べるとすると、6枚切りの食パン(約60g)約2枚半になります。食パン1袋はおよそ100円のため、食パン約2枚半の値段は以下のように計算できます。

100÷6×2.5=41.66666…≒42円

つまり、より経済的なのはパンよりごはんと言えるでしょう。

まとめ
お米や日本酒の単位に残っている「合」は、日本を含む東アジアで広く使われている尺貫法という単位の一つです。「合」は体積を表す単位なので、お米1合分の重さはお米の状態やはかり方、玄米か精白米かなどによって変わります。お米の単位を「kg」や「g」に換算したり、お茶碗などわかりやすい単位で考えたりして、お米を買ったり炊いたりするときの参考にしましょう。

(おいしいごはん研究チーム)
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