忙しいときの手抜きごはんや、災害時やアウトドアで調理器具がないときにも便利なパックごはん(レンチンごはん、ともいわれる)。通常、炊飯したごはんは冷凍保存しても1ヶ月を目安に食べ切らなくてはなりませんが、パックごはんはなぜ長期保存できるのでしょうか。今回は、パックごはんの主な製造方法2種類と長期保存できる理由、基本的な食べ方についてご紹介します。
炊いてから無菌包装するものや、包装後に加熱殺菌するもの、密閉調理して無菌包装するものなど製造方法には若干の違いがありますが、いずれも「調理済みのごはんを腐らないよう無菌(殺菌)し、長期保存できるようにしたもの」という点は変わりません。
最初に市販されたのは1973年で、赤飯から始まりました。後に白ごはん、混ぜごはん、お粥なども商品化されました。しかし、蒸気による予備加熱と加水、パウチ後の加圧・加熱は白ごはんを製造する過程として必ずしも最適とは言えません。どちらかというと、赤飯をはじめとしたもち米を含むごはん、水分を多く含むお粥などに適した製法です。
レトルト米飯には、以下のメリットがあります。
・アウトドアやキャンプなどの外出先でも、湯煎調理OK
・無菌化包装米飯と比べ、長期保存が可能
・常温保存可能
・電子レンジでチンしてすぐに食べられる
・殺菌済みなので、安心・安全に食べられる
特に、無菌化包装米飯と比べて長期保存が可能なので、非常食に向いているのはレトルト炊飯です。密閉されているため、常温保存でも腐りません。
レトルト米飯に少し遅れ、1987年ごろに登場しました。加圧処理をしないので、より炊きたてのごはんに近い食感が保てるようになった反面、常温で保存可能な期間は数ヶ月なので、備蓄用にする場合は注意が必要です。
無菌化包装米飯には、以下のメリットがあります。
・ごはん本来の風味やふっくらとした食感、炊きたての美味しさを味わえる
・より炊きたてに近いため、ちょっとだけ足りないときに足してもOK
・アウトドアやキャンプなどの外出先でも、湯煎調理OK
・常温保存可能
・電子レンジでチンしてすぐに食べられる
・無菌包装なので、安心・安全に食べられる
無菌化包装米飯は、より炊きたての風味や食感、美味しさを味わえます。そのため、通常通り炊飯したごはんが足りないとき、足すのにも使えます。
レトルト米飯:パウチ後に加圧・加熱により殺菌
無菌包装米飯:炊飯前のお米を殺菌し、その後も無菌状態で作業する
パウチ後に殺菌するレトルト米飯の方がより長期殺菌の確実性が高いものの、無菌化包装米飯でも数ヶ月の保存は可能なほど殺菌処理が徹底しています。
お米に含まれるデンプンは、炊飯前は硬く味もまずいため消化できません。人体に害があるわけではありませんが、栄養にならないうえ、胃腸にも負担がかかってしまいます。一方、炊くと糊化(アルファ化)し、人間が食べて消化できる美味しい状態になります。しかし、糊化したでんぷんは冷めるとともに、だんだんまたベータ化していってしまうのです。
このような理由から、パックごはんをそのまま食べても身体に直接的な害はないものの、加熱しないと食べても消化に悪いし、なにより美味しくありません。そのため、必ず加熱が必要なのです。キャンプなどで電子レンジがない場合でも、湯煎などで加熱して食べましょう。
パックごはんの温め方については、こちらの記事も参考にしてください。
「パックごはんの温め方って?電子レンジがなくても鍋やポットで温められる?」
(おいしいごはん研究チーム)
パックごはんとは?
正式な名前は「包装米飯(ほうそうべいはん)」と言い、ごはんを密閉できる容器にパックして長期保存ができるようにしたもののことを指します。炊いてから無菌包装するものや、包装後に加熱殺菌するもの、密閉調理して無菌包装するものなど製造方法には若干の違いがありますが、いずれも「調理済みのごはんを腐らないよう無菌(殺菌)し、長期保存できるようにしたもの」という点は変わりません。
パックごはんの製造方法
パックごはんの製造方法には主に2種類あり、加圧加熱殺菌した米飯を「レトルト米飯」、無菌包装した米飯を「無菌包装米飯」と言います。それぞれ詳しく解説しましょう。
レトルト米飯
正式名称は「容器包装詰加圧熱殺菌米飯」と言い、お米を気密性のある容器に入れ、調理した後、加圧加熱殺菌した米飯類のことを指します。最初に市販されたのは1973年で、赤飯から始まりました。後に白ごはん、混ぜごはん、お粥なども商品化されました。しかし、蒸気による予備加熱と加水、パウチ後の加圧・加熱は白ごはんを製造する過程として必ずしも最適とは言えません。どちらかというと、赤飯をはじめとしたもち米を含むごはん、水分を多く含むお粥などに適した製法です。
レトルト米飯には、以下のメリットがあります。
・アウトドアやキャンプなどの外出先でも、湯煎調理OK
・無菌化包装米飯と比べ、長期保存が可能
・常温保存可能
・電子レンジでチンしてすぐに食べられる
・殺菌済みなので、安心・安全に食べられる
特に、無菌化包装米飯と比べて長期保存が可能なので、非常食に向いているのはレトルト炊飯です。密閉されているため、常温保存でも腐りません。
無菌化包装米飯
正式名称は「容器包装詰無菌化包装米飯」と言い、炊飯前のお米を殺菌し、調理した後、無菌包装した米飯類のことを指します。レトルト米飯に少し遅れ、1987年ごろに登場しました。加圧処理をしないので、より炊きたてのごはんに近い食感が保てるようになった反面、常温で保存可能な期間は数ヶ月なので、備蓄用にする場合は注意が必要です。
無菌化包装米飯には、以下のメリットがあります。
・ごはん本来の風味やふっくらとした食感、炊きたての美味しさを味わえる
・より炊きたてに近いため、ちょっとだけ足りないときに足してもOK
・アウトドアやキャンプなどの外出先でも、湯煎調理OK
・常温保存可能
・電子レンジでチンしてすぐに食べられる
・無菌包装なので、安心・安全に食べられる
無菌化包装米飯は、より炊きたての風味や食感、美味しさを味わえます。そのため、通常通り炊飯したごはんが足りないとき、足すのにも使えます。
パックごはんを長期保存できるのはなぜ?
パックごはんを長期保存できるのは、殺菌が徹底しているためです。それぞれ、以下のように殺菌・無菌処理し、雑菌が混ざらないように作っています。レトルト米飯:パウチ後に加圧・加熱により殺菌
無菌包装米飯:炊飯前のお米を殺菌し、その後も無菌状態で作業する
パウチ後に殺菌するレトルト米飯の方がより長期殺菌の確実性が高いものの、無菌化包装米飯でも数ヶ月の保存は可能なほど殺菌処理が徹底しています。
パックごはんの基本的な食べ方
では、パックごはんを温めずにそのまま食べることはできるのでしょうか。上記の製造方法だけ見るとそのまま食べられるようにも見えるのですが、パックごはんは必ず温めないと食べられません。その理由は、お米のデンプンにあります。お米に含まれるデンプンは、炊飯前は硬く味もまずいため消化できません。人体に害があるわけではありませんが、栄養にならないうえ、胃腸にも負担がかかってしまいます。一方、炊くと糊化(アルファ化)し、人間が食べて消化できる美味しい状態になります。しかし、糊化したでんぷんは冷めるとともに、だんだんまたベータ化していってしまうのです。
このような理由から、パックごはんをそのまま食べても身体に直接的な害はないものの、加熱しないと食べても消化に悪いし、なにより美味しくありません。そのため、必ず加熱が必要なのです。キャンプなどで電子レンジがない場合でも、湯煎などで加熱して食べましょう。
パックごはんの温め方については、こちらの記事も参考にしてください。
「パックごはんの温め方って?電子レンジがなくても鍋やポットで温められる?」
まとめ
パックごはんとは、調理済みのごはんをパック詰めして長期保存できるようにしたものです。主にレトルト米飯・無菌化包装米飯の2種類があり、製法に若干の差があるものの、いずれも殺菌が徹底されているため長期保存ができます。パックごはんはそのまま食べても害があるものではありませんが、人体が消化できない状態のデンプンになっているため、必ず加熱して食べましょう。(おいしいごはん研究チーム)
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