日本各地の生産者の思いをたっぷり受けて育ったお米たち。農家で脱穀(稲穂からモミをはずすこと)が行なわれたモミ(イネの果実に相当する部分)は、それぞれの産地で貯蔵施設に集められます。そこで乾燥・一時保管され、出荷される直前にモミすり(モミから殻をはずすこと)され、玄米(モミから殻をむいた米)の形で精米工場へ運ばれます。

 精米工場は、この玄米を精選(品質の良いものを選りすぐること)、精米加工(玄米を精米にすること)、袋詰めして出荷する施設のこと。生産者が丹精を込めて育てたお米を、実際に消費者が手にする商品の形にし、出荷する大切な役目を担っています。

5つの工程を経ることで、お米の安心・安全が担保される!
 玄米が白米として出荷されるまで流れを整理すると、大まかにいって、下記の5つの工程を経て、お米が製品化されていきます。それぞれの役割を見ていきましょう。

<ステップⅠ 玄米入荷>
入荷される玄米にも、厳しいチェックが!

 

 
 精米工場には、いろいろな生産地から、いろいろな種類の玄米が運ばれてきます。入荷した玄米は、倉庫に入れられる前に、運ばれた状態でサンプリング検査を実施。放射能検査、虫による食害はないか、形質・状態(変色・臭い・酸化の有無)などの品質確認が行なわれ、合格した玄米だけが倉庫に運ばれることに。いきなりの抜き打ち検査。しかも10数項目にチェックされるので、たとえ質の悪い玄米があったとしても、ここではじかれてしまいます。そして搬入時の検査に合格した玄米だけが、パレットに積まれ、自動ラック倉庫に保管されるのです。
 

<ステップⅡ 玄米精選>
玄米の段階で、石などを排除!

 

 
ワラやゴミなどを取り除く粗選機
 出荷に合わせ、ラック倉庫から出された玄米は、混入している石やゴミなどを取り除くため粗選機、石抜機(2回選別)へかけられます。ここでは、ワラ、ガラス、金属などがていねいに取り除かれていくのです。そして、精選された玄米のみが計量機を通り、いったん巨貯蔵タンク(玄米タンク)に運ばれていきます。
 

<ステップⅢ 精米加工>
3段階に分け、お米を傷つけないように優しく。

 
 精選された玄米から精米にするもっとも大事な工程のひとつ。出荷先の要望に応じた精米機で精米加工が行なわれ、ここの大きな精米機は3段階の工程を経て行なわれます。第一段階が砥石でお米の表面を優しく削り、ヌカになる部分を撮りやすくします。第二段階、第三段階ではお米同士を擦り合わせ、適度な衝撃を与えることで表面に残ったヌカをはがしていくのです。
 ここでは、お米の食味を低下させないように、摩擦熱を抑えるなどの温度管理も行なわれています。またヌカや胚芽除去のしやすくするために、お米の品質に合わせ、精米機に流れる米粒の量や、米粒への圧力をコントロールもしています
 

<ステップⅣ精米精選>
精米加工を終えたお米は、さらに細かいチェックに。

 精米加工を終えたお米は、次に砕米選別機を通ることに。ここでは、加工途中で米粒が割れたものやヌカなどを網目でふるいにかけ、除去していきます。
 さらに、光選別機にかけられます。この選別機にはCCDカメラと近赤外線カメラが搭載されており、デジタル画像処理によって着色粒(病害により変色したもの)、被害粒(虫食いなどの被害で変色したもの)やガラス粒などを瞬時に選り分け、はじいていくのです。1台で約97%の除去が可能ということですが、工場によっては3台通すこともあるので、着色粒、被害粒は限りなくゼロに近づいていきます。
 このようにして精選されたお米だけが計量され、精米タンクへと納まるのです。
 精米タンクに運ばれたお米は、このまま商品化してもいい状態なのですが、さらに流化式選別機、最終光選別機、金属探知機など、最終精選を経ることで、初めて安心・安全といえる製品となるのです。

<ステップⅤ 袋詰め・出荷>
最後まで手を抜かない品質チェック体制!

 
高速パッカー、計量包装機、金属探知機を経て最終出荷へ
 チェックを終えたお米は、商品銘柄ごとに製品タンクから送られ、「高速パッカー」と呼ばれる機械で正確に計測され、自動で袋詰めがされます。そして袋詰めされた状態で、再度、金属探知機で金属混入のチェック。さらに製品からサンプリング抽出を行い、その製品の品質状態を調べ、検査に通った製品だけが、それぞれの出荷先へと向かうのです。
 
<精米工場・品質管理室の役割>

 

 精米工場には、5つの工程を経るラインとは別にもう一つ大事なセクションがあります。それが、品質管理室。
 製品となったお米のサンプルは、最新の分析機器を完備した品質管理室へ。ここで、最終的に高い安全性と品質を維持するために、形質、白度、水分含有率、成分・鮮度の判定、食味値の計測などが、専用の分析器で詳細に行なわれます。震災後は、放射能物質の検査も新しくチェック項目に加わっています。
 そしてチェックは玄米、精米だけにとどまらず、実際にお米を炊いてみて、炊飯後の食感などにも及んでいます。炊飯したお米に関しては、機械に頼るだけでなく、商品銘柄ごとに一釜一釜炊き上げ、スタッフが五感を駆使して、ソムリエのように美味しさの評価も。数値では表せない、味もチェックしているので、更なる安心を得られるのです。
 さらに、何か問題が起こった時、流通経路での追跡できるトレーサビリティにも対応。入荷した玄米、出荷された製品は、入荷日、商品銘柄ごとにサンプルがビンに入れられ、3か月保存されます。まさにお米の安心・安全のために、手を抜かないのが精米工場なのです。

*工程等は、㈱むらせ首都圏工場を参考にしています。



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