近年、精白米と比べて栄養価が高いなどの理由で、健康指向の高い人を中心に玄米や発芽玄米を食べる人が増えています。玄米や発芽玄米は、精白米と比べてどのようなところが違うのでしょうか。今回は、玄米や発芽玄米と精白米の違いや、玄米と発芽玄米の違いについてご紹介します。これから玄米や発芽玄米を食べてみようと思っている人も、ぜひチェックしてください。

玄米や発芽玄米とは?
そもそも、玄米や発芽玄米とはどんなお米のことを指すのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

玄米とは
玄米とは、収穫したてのお米(籾、もみ)から籾殻(もみがら)を取り除いた状態のものを指します。 私たちが普段食べている白米である「精白米」は、玄米からさらにぬかや胚芽を取り除いたものです。なお、胚芽やぬかをどのくらい取り除くかで「3分づき」「5分づき」「7分づき」などの分づき米ができます。分づき米はどれだけ精米したかを表す数値なので、数字が小さいほど玄米に近く、数字が大きいほど白米に近くなります。

玄米は白米や分づき米と比較して、取り除かれていないぬかや胚芽に含まれる栄養分が豊富です。特にビタミンB群やミネラル、食物繊維、たんぱく質などが多く含まれています。文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によれば、精白米と玄米の栄養素の違い(100gあたり)は以下の通りです。

<精白米>
カロリー…342kcal
たんぱく質…6.1g
脂質…0.9g
炭水化物…77.6g
食物繊維…0.5g
カリウム…89mg
カルシウム…5mg
マグネシウム…23mg
ビタミンB群…0.22mg(B1、B2、B6、B12)

<玄米>
カロリー…346kcal
たんぱく質…6.8g
脂質…2.7g
炭水化物…74.3g
食物繊維…3.0g
カリウム…230mg
カルシウム…9mg
マグネシウム…110mg
ビタミンB群…0.9mg(B1、B2、B6、B12)

このように、精白米と玄米ではカロリーに大きな差はありませんが、カリウムやマグネシウム、食物繊維などの含有量に大きな違いがあることがわかります。

発芽玄米とは
発芽玄米とは、玄米をわずかに発芽させたものです。発芽させることで、玄米中の酵素が活性化されるため、玄米よりも栄養価が高くなるとされています。特に神経伝達物質であるGABA(ギャバ)が豊富に含まれ、ストレス軽減に役立つといわれています。文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によれば、発芽玄米の100gあたりの栄養価は以下の通りです。

<発芽玄米>
カロリー…339kcal
たんぱく質…6.5g
脂質…3.3g
炭水化物…74.3g
食物繊維…3.1g
カリウム…160mg
カルシウム…13mg
マグネシウム…120mg
ビタミンB群…0.71mg(B1、B2、B6、B12)

玄米と比べて栄養価にそれほど大きな違いはありませんが、カルシウムやマグネシウム、脂質などがやや増えていることがわかります。

玄米と発芽玄米はどう違う?
では、玄米と発芽玄米はどんなところが違うのでしょうか。ここでは、3つのポイントを解説します。

栄養素の違い
前述のように、たんぱく質や炭水化物、食物繊維やミネラルなどに大きな違いはありません。しかし、発芽玄米には玄米と比べて約5倍、白米と比べて約15倍のGABAが含まれているとされています。GABAはストレス軽減効果で有名ですが、他にも以下のような効果が期待できるといわれています。

・血圧の上昇を抑える
・睡眠の質を高める
・中性脂肪を減らす

GABAとはγ-アミノ酪酸のことで、神経の興奮を抑える働きがあります。そのため、ストレスによって緊張状態になり、興奮した神経を鎮められるのです。同じように、神経が興奮すると血圧が高くなったり、覚醒状態になって睡眠の質が悪くなったりするため、GABAの摂取でこれらを防ぐ効果が期待できます。また、GABAによって血中のコレステロールや中性脂肪にアプローチし、脂質の代謝を促せる可能性も出てきています。

GABAについて詳しくは、以下の記事でご紹介しています。
GABAとは?発芽玄米にも含まれる栄養素にはどんな効果があるの?

食感や味、消化吸収
発芽玄米は、玄米と精白米の良いとこ取りをしたお米とされています。玄米とそう変わらない栄養価を持ちながらも、発芽玄米はうま味が強くて柔らかく、もちもち感も精白米に近くなっているため、より食べやすいのです。

これまでずっと精白米を食べていて、玄米に突然切り替えると食感や味の違いで食べにくいと感じる人も多いのですが、発芽玄米ならその違いを感じにくいとされています。ただし、消化吸収に関しては精白米と比べて玄米に近いため、よく噛んで食べることを忘れないように注意しましょう。

浸水時間
玄米を炊く際は、精白米と比べて浸水時間を長くとる必要があります。具体的には、夏場で3時間以上、冬場で6時間以上が目安です。それ未満の浸水時間では、芯が残ったりパサついたりして食べにくいため、浸水時間はしっかりとりましょう。発芽玄米は、浸水しなくても食べにくいほどパサつくことはありません。ただし、精白米と同じように浸水した方が柔らかく美味しく炊き上がります。
 精白米の浸水時間については、以下の記事をご覧ください。
お米を浸水させるのはなぜ?美味しいごはんを炊くのに必要な浸水時間は?

ごはん彩々がおすすめする玄米は?
 炊飯器の白米モードで炊ける「ソフトブラン玄米」をおすすめします。この玄米は、特殊な加工(ライススリット加工)をしいているため、面倒な浸水時間の調整や水洗いなしで炊くことができます。栄養を考えるなら「玄米」は食事に取り入れたい食材です。簡単に美味しく炊ける「ソフトブラン玄米」。ぜひ、毎日の食卓に取り入れたいですね! 

まとめ
玄米や発芽玄米は、精白米と比べてぬかや胚芽を取り除いていないことから栄養価が高く、食物繊維やGABAが豊富で身体に良い効果が期待できます。特に、発芽玄米は玄米と比べてパサつきや芯の残りが少ないため、これから精白米から玄米や発芽玄米に切り替えようとしている人にはおすすめです。ぜひ一度食べてみてください。

(おいしいごはん研究チーム)
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