2021年初頭、大手コンビニエンスストアのおにぎりの消費期限が2倍に伸びるというニュースが注目を集めました。おにぎりは買ったらすぐ食べるという人も多いですが、仕事やレジャーに携帯食として持って行く人も多いため、消費期限は誰しも気になるところでしょう。そこで、今回はおにぎりの消費期限や期限切れの判断方法についてご紹介します。

おにぎりの消費期限の目安
そもそも、おにぎりの消費期限の目安はどのくらいなのでしょうか。コンビニと手作りおにぎりに分けて見ていきましょう。

コンビニおにぎりの消費期限
2021年初頭に、大手コンビニエンスストアが店頭でのおにぎりの消費期限を18時間→36~48時間(1日半〜2日)程度に伸ばすと発表し、大きな話題になりました。理由は食品ロスの削減のためで、もちろん単に数字だけを変えたのではなく、製造方法の見直しや配送時の温度管理を一定にすることで鮮度を保ち、保存料は使わない方針も同時に発表しています。

消費期限と賞味期限

ここで、消費期限と賞味期限の違いについてもおさらいしておきましょう。

消費期限…未開封で適切な保存をした場合の、安全に食べられる期限
賞味期限…未開封で適切な保存をした場合の、安全に美味しく食べられる期限

つまり、賞味期限が切れてもすぐ食べられなくなるわけではありません。匂いや見た目、味から判断すると良いでしょう。消費期限の場合、切れたら絶対に食べてはいけないというわけではありませんが、食中毒などのリスクが高まるため、避けたほうが良いでしょう。

手作りおにぎりの消費期限
手作りのおにぎりは、だいたい12時間(半日)程度が消費期限です。もちろん、これは手洗いをしっかりして清潔な調理器具を使い、清潔な調理場で作った上で冷蔵保存した場合であり、不衛生な保存環境、常温保存などの場合は消費期限が短くなるので注意しましょう。

消費期限切れの判断ポイント
賞味期限切れかどうかを判断するには、「におい、見た目、味」の3つのポイントがあります。

・におい:食べようとしたとき口元でわかるので、最も判断しやすい。すっぱい、むせるような発酵臭といった場合は腐っている可能性が高い
・見た目:ねばつき・べたつき、糸をひいている、カビが生えている、お米や具材が変色している、など。いずれの変化も腐敗菌(雑菌)が増殖することで起こる
・味:酸味がある、ねちゃっとした変な食感、味に違和感など。いずれも腐っているのですぐ吐き出す

消費期限を保つための保存方法
では、消費期限を短くせず保つためには、どのように保存すれば良いのでしょうか。冷蔵保存と冷凍保存に分けて説明します。

冷蔵庫で保存
おにぎりを冷蔵保存していると、冷蔵室の温度が低すぎるためにパサついて固くなり、美味しくなくなってしまうため、本来はおすすめしません。コンビニおにぎりの陳列棚は、通常15℃くらいに設定されていますが、家庭にある冷蔵室は2~4℃の設定のため、おにぎりの保存には温度が低すぎるのです。

どうしても冷蔵保存したいなら、野菜室が良いでしょう。野菜室は野菜の鮮度を長持ちさせるため、5℃前後に設定してあります。ラップでくるんだおにぎりやコンビニおにぎりを袋に入れたまま保存すると、コンビニの陳列棚の状態に近くなり、比較的味を落とさずに食べられるでしょう。

冷凍庫で保存
冷蔵より冷凍の方が圧倒的に日持ちします。特に、冷凍保存なら味が劣化しにくいのでおすすめです。米の主成分であるデンプンは2~3℃以上で劣化するのですが、冷蔵庫内の温度は2~5℃が多く、ごはんの水分が抜けて劣化が進んでしまい、おにぎりがパサパサしてしまいます。

一方で、冷凍庫はマイナス18℃以下になるため、お米の劣化する温度を一気に通り過ぎることができます。これによりデンプンの劣化や乾燥を抑えられ、解凍したときふっくらとしたおにぎりになるのです。冷凍保存なら、消費期限を超えても約2週間〜1ヶ月程度は保存しておけます。

おにぎりを冷凍保存する場合、具材の向き・不向きには注意しましょう。

【冷凍保存に向いている具材】
・鮭
・おかか
・梅
・昆布
・チャーハン
・五目ごはん など

【冷凍保存しにくい具材】
・ツナマヨ
・エビマヨ
・生タラコ
・いくら など

おにぎりの冷凍保存については、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
おにぎりを冷凍保存する方法やポイントとは?解凍方法もチェック

日持ちするおにぎりを作るための注意点
手作りおにぎりを日持ちさせるためには、以下の3つのポイントに注意しましょう。

ラップを使って作る
おにぎりが早く傷んでしまう大きな原因の一つは、手に付着している雑菌が増殖するためです。雑菌がお米につかないよう、ラップを使ってにぎりましょう。

ラップでおにぎりを握る方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
おにぎりの基本の作り方をチェック!ラップを使った方がいい理由とは?

保存がきく具材で作る
日持ちするおにぎりの具材とは、「梅、大葉、昆布、ごま塩、おかか」など。水分が少なめで酸味があり、塩分が多めなものです。これらの具材には防腐効果が期待できるため、おにぎりを日持ちさせやすいでしょう。

塩そのものに殺菌性や防腐性はありませんが、塩を含むことでおにぎりの水分と塩分が結合し、微生物の活動を抑制する効果があるとされています。とはいえ、そもそも塩分はおにぎりを美味しくするためものです。具材の塩分だけでなく、握るときに塩を振る場合は、食べるまでの時間の長さに応じ、量を調節しましょう。

海苔は食べる前に巻く
おにぎりが温かいうちに海苔を巻くと、おにぎりの中身が蒸れて雑菌が増殖しやすい状態になり、腐りやすくなってしまいます。おにぎりに海苔を巻くタイミングは食べる直前にすると、日持ちしやすくなるでしょう。

まとめ
おにぎりの消費期限は、コンビニなら2日程度、手作りなら半日程度です。ただし、保存環境によってはもっと早まることもあるので注意しましょう。消費期限が過ぎてしまった(食べられない)かどうかの判断は、におい・見た目・味をチェックします。おにぎりを保存する場合は冷蔵庫より冷凍庫の方が美味しく食べられておすすめです。日持ちするおにぎりの作り方も、ぜひ参考にしてくださいね。

(おいしいごはん研究チーム)
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