赤や黒いお米は古代米なの?
Q.赤や黒など色の付いたお米は古代米なの?
 
A.古代中国から色の付いたお米が伝わったことから、古代米と呼ばれています。

 日本では、昔(縄文時代)、古代中国から伝わってきた色の付いたお米が食べられていたことから、古代米と呼ばれています。古代米は、イネの原種である野生イネの特徴を受け継いでおり、一般的には生命力が強いのですが、米の性質にバラつきあったり、収量が少なかったり、稈が長く栽培しにくいなどの性質があったため、明治以降はほとんど生産されなくなりました。明治時代に政府が「赤米は雑草じゃ!」と決めつけたという話も伝わっています。
 古代米は、色によって大きく3つ――赤米、黒米(紫黒米ともいう)、緑米に分けられますが、最近、それぞれが白米に比べてたんぱく質やビタミン、ミネラルなどを多く含んでいることが明らかになり、健康食として俄然注目を集めています。

それぞれを特徴は以下のようになるから、確認しておこう。

<赤米>
玄米の色が赤褐色で、果皮・種皮部にタンニン系の赤色系色素を含んでいる。5分づき精米するとピンクに、普通に精米すると白米と変わらぬ色になる。栄養を摂ろうと思ったら、たんぱく質やビタミン類が多く含まれている赤い部分を残し精米するのがコツ。ただ、でんぷんの成分のアミロースが多いため、炊き上がりは普通の白米よりパサついた感じなる。
<黒米>
玄米の色が黒色に近く、5分づきにすると黒紫色になる。この黒紫色は、赤ワインで話題になったアントシアン系色素によるもので、血管を保護して動脈硬化を予防し、発ガンの抑制に関係する抗酸化作用があるといわれておるのじゃ。このほかにも、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれており、中国では古くから、薬膳料理に利用されているほどである。
<緑米>
緑米は、現在でもネパールやラオスなどアジアの国々で多く栽培されているが、日本では極めて生産量が少ないため、「幻の米」と呼ばれている。玄米の皮の部分が緑色なのが特徴で、これは緑黄色野菜と同じクロロフィルという成分が含まれているからなのです。クロロフィルは中性脂肪に関係してくるコレステロール値を抑制するといわれており、このほかにもマグネシウムや亜鉛といった栄養素も含まれ、血液サラサラに効果的なお米として注目を集めている。

 


これらの古代米は、お米1合に対して、それぞれ15g程度を混ぜて炊くのがお薦め。美味しく、古代米の栄養素を身体に取り込むことができる。