いつごろから、おにぎりって食べられていたの?
Q.いつごろから、おにぎりって食べられていたの?
 
A.はっきりと分かっているおにぎりの文献上の起源は、平安時代の「頓食(とんじき)」という食べ物とされています。

 「頓食(とんじき)」は、宮中や貴族の宴会の時に、庭上で下仕えの者に配られた弁当で、鳥の卵に似ていることから「鳥の子」という別名もあり、『源氏物語』の桐壷の巻などにも登場しています。

 戦国時代になると、おにぎりは、武士が保存し、携帯できる「兵糧食」として食されるようになり、江戸時代につながっていきます。

 現在のようにおにぎりが海苔で巻かれ始めたのは、江戸時代中期、元禄の頃。加工された四角い板海苔が「浅草海苔」などの名称で、一般的に売られるようになってからといわれています。それまでのおにぎりは、今の塩むすびに近かったようです。
 そして、おにぎりは、現代と同じように畑仕事に出る際や行楽の弁当、旅のお供の「携帯食」としての役割を果たしていました。



 しかし、約1800年の弥生時代後期(2世紀後半)の石川県杉谷チャノバタケ遺跡からおにぎりの化石と思われるものが発見されていますし、古墳時代後期(6世紀前半)の横浜市の遺跡からは、おにぎり弁当と見られる化石が発見されているので、その歴史はさらに古いと思って差し支えありません。
 おにぎりは、日本の稲作の歴史とともに歩んできたのです。