基本的には加える水分量、洗米方法、浸漬(しんせき)のしすぎなど、炊飯の何らかの工程でミスをしていると考えられます。また、お米が古かったり、炊き上がったごはんの「ほぐし」がきちんとできていなかったりするかもしれません。
真っ先に考えられるのは、お米の量に対して水の量が多すぎることです。水の量は、お米の量に対して1:1.2(体積)の割合が基本です。一般的な炊飯器なら以下の手順で計量しましょう。
1:付属の計量カップで1杯はかり、お米を箸やすりきりなどの道具で平らにならす
2:炊飯釜に必要な分のお米を入れる
3:炊飯釜の内側の左右の目盛りを見ながら、お米のカップ数に合わせて水位線の中心に合わせて入れる
計量米びつなどを使うと、米びつの中に入っているお米が多いときは多めに、少ないときは少なめに出てしまうことがあるので注意が必要です。お米をはかるときはすくうだけでトントンと詰めずに、箸やすりきりなどを使ってならすようにしましょう。
土鍋などで目盛りがついていない場合は、前述のように1:1.2の割合で、お米1カップに対して水1.2カップになるように測りましょう。お米の重さは1合=150gなので、できれば毎回重さで計量するようにすると正確です。
研ぐときにお米が割れてしまうと、お米のでんぷん質が水に溶け出すため、べちゃべちゃしてしまいます。お米は丁寧に洗い、水を切った後ザル上げはしないようにしましょう。ザルに上げて放置すると、乾燥してお米が割れやすくなってしまいます。
お米は水に浸けることで、デンプンが分解されて糖が出てきます。粘りのあるごはんのためにも、ザルにあけず浸した水でそのまま炊き上げましょう。基本的な研ぎ方は、以下のような手順です。
1:あらかじめ水を張ったボウルや炊飯器の内側に入れて、軽く2〜3回かき混ぜたらすぐ水を捨てる
2:水がほとんどない状態のお米を、シャカシャカと優しく研ぐ(一定のスピードで、同じ方向に20回くらい)
3:うっすら米が透けて見える程度に水が澄んできたら、そのまま分量の水を入れて水に浸す
このとき、ぎゅっぎゅっと強く研ぐのもお米が割れてしまう原因になるので、注意しましょう。
お米を研いだ後、お米に水を吸わせる「浸漬(しんせき)」の過程を行うとより美味しく炊けます。ただし、長時間の浸漬はお米が水を吸いすぎる可能性があるので注意しましょう。とはいえ、どこまでも吸い上げることはなく、2時間でほぼ飽和状態になります。べちゃべちゃになる場合は、2時間よりも短めにしてみましょう。
古米(前年に収穫されたお米)は表面が乾燥しているので、表面がつるつるした新米と比べて浸漬しやすいという特徴があります。新米が飽和するのに2時間かかるところ、古米は30分程度で浸漬してしまいますので、浸漬しすぎないよう注意しましょう。
また、古いお米は臭いが気になるので新しいお米に比べてよく研ぐと、より美味しく炊き上げられます。
ごはんが炊き上がったら、ほぐして余分な水分を飛ばさなくてはなりません。しっかりほぐさないと、余分な水分が残ってべちゃついてしまいます。米粒の周りに空気を触れさせることで粒立ちが良くなり、一粒ごとに独立感が出るので、美味しいごはんのためには「ほぐし」が重要です。
ごはんがべちゃついてしまったときは、以下のような方法で美味しく食べられます。
水分を飛ばすために、平たいお皿にムラなくごはんを盛ってラップをかけず1分チンすると、最も手軽で早く美味しいごはんが食べられます。1分でもまだべちゃついていたら、様子をみながら30秒ずつ追加で加熱していきましょう。
冷凍ごはんにして保存しておき、解凍時にラップせずレンチンして水分を飛ばすという方法もあります。このとき、普通に炊いたごはんを冷凍した場合のように、ラップをかけてチンしてしまわないよう注意しましょう。
チャーハン・リゾット・雑炊、お茶漬けなどにリメイクしてしまうのも方法の一つです。チャーハンなら水分を飛ばせますし、リゾットやお茶漬けなら、水分量が多くても全く気になりません。
ごはんがべちゃべちゃになってしまうのは、水分量が多いことや研ぐ時のミス、炊飯後にしっかりほぐしていないことなどが原因と考えられます。ごはんがべちゃべちゃになったときは、レンジでチンして水分を飛ばしたりリメイクしたりして美味しく食べましょう。
また、ごはん彩々の「極しゃもじ」ならほぐしが楽々できます。ぜひ使ってみてください。
(おいしいごはん研究チーム)
お米を正しく計量する方法って?計量カップがないときの測り方は?