おこめ券にまつわる素敵なエピソードたち(お米を贈る気持ち)

 日頃、皆さまにご利用いただいています全米販の「全国共通おこめ券」は、お蔭さまで、本年11月15日をもって発行35周年を迎えます。これも皆さまのご愛顧の賜物と心から感謝申し上げます。

 発行30周年を記念して、おこめ券に関する思い出や、心温まるエピソードなどをお寄せいただこうと、「おこめ券にまつわるエピソード」募集キャンペーンを実施したところ、600件を超えるご応募をいただきました。
 何一つ同じものがない、それぞれの物語とそれぞれの想いがつづられた内容は、どれも感動的なものばかりでした。お米を贈るという気持ちは、人と人の心を温かくつないでいるものと私どもは考えております。今でも色あせることのない心温まる気持ちを少しだけでもご紹介できたらと考えます

ここに、数多くのエピソードの中から選ばれた受賞作品をご紹介させていただきます。

全米販賞 るるさん 静岡県

亡き母の思い出

 

私は、母と二人暮らしです。
私の母は親しい人のお祝い、お返しなどには必ずお米券を送っていました。
口癖は「お米をもらって困る人はいない!!戦時中の人間だからわかるんだ。お米は大切なものだよ」
いつしか習慣になり、周りの人間もお米券をもらうのが当たり前になっていました。

その母も今年5月に84歳で永眠致しました。
最初は悲しくて何も手につきませんでしたが、49日の法要のお返しを何がいいかと考えなければならず、周りに相談をしました。
タオルやお菓子にギフトカタログ?
どれもピンときません。
母だったらどうするだろう?母らしいものは何だろう?
そう考えた時に、浮かんだのがやっぱりお米券でした。
当日にお菓子とお米券を渡したところ、後日電話で
「おばちゃんらしかったね」「思い出して涙がでちゃったよ」
と大好評でした。
これからも母の代わりに、この習慣を私が受け継ぎます。
そして、お米券を見るたびに、母を思い出すことでしょう。




おこめ券賞 ごはん日和さん 東京都

お守りおこめ券

 

私が一人暮らしを始める時、母が持たせてくれたのがおこめ券でした。
最後まで私の一人暮らしに反対していた母。
しかしおこめ券には、応援してくれる母の気持ちが込められているように感じ、初めての一人暮らしを始めるにあたって不安と期待が入り混じっている中、とても心強く感じました。
「ありがとう。」と言いながら受け取った封筒を大切に鞄にしまい、母に心配を掛けないように笑顔で家を出たことを覚えています。
そして初めての土地で最初にしたのは、お米屋さんを探し、おこめ券でお米を購入すること。
それは新しい生活が始まることの第一歩のようで、改めて新生活の開始を実感しました。
心細さはありましたが、「何はなくともお米があれば大丈夫。」そんな気持ちでした。
おこめ券は、贈り手の思いが伝わる温かい贈り物ですね。
最後の一枚は今でもお財布の中に、お守りのように入れてあります。
今度は私が、母におこめ券を贈りたいです。



おこめ券賞 yossiさん 神奈川県

ありがとう

 

突然、母子家庭になり今日食べるお米がなくてどうしようと思いながら家に帰ると、長年疎遠になっていた実家の母からお米券が送られてきていました。子供二人と三人家族になってしまったことなど、何も知らせていなかったのに、まさに「虫の知らせ」だと思いました。そのことがきっかけで、お礼の電話を入れ、今では家族揃って旅行に行けるようになりました。
「家庭」の中でお米はなくてはならないもので、「家族」の橋渡しになってくれたお米券は大切な思い出です。今でも一枚だけ大切に保管しています。ともすれば忘れそうになる母への「ありがとう」の気持ちを忘れないように。。。。



おこめ券賞 温子さん 岡山県

優しさ返し

 

毎年頭を悩ませる義母の誕生日。
喜んでもらうには何が良いかと、お花や服、バッグなど色々プレゼントしてきました。
今年は義母が病気がちなこともあり、甘いものは贈れません。ならばといつも美味しそうに食べているお米を、義母のペースで交換できるお米券で贈ることにしたのです。「白米は大好きだから、このプレゼントが一番嬉しい!」と喜んでくれた義母。プレゼントは大成功でした。
私は丁度出産を控えており、数ヶ月後に無事男の子を出産しました。
義母が産院にお祝いに来てくれたときに、お重いっぱいのおにぎりを持って来てくれました。「あの時くれたお米券で、おにぎりを作ったのよ。嬉しかったから、大切にとっておいて、特別な日に使おうって決めてたの。たくさん食べて栄養つけてね」と。今日の日のために、使わずにいたそうです。義母の優しい言葉と美味しいおにぎりは、忘れられない思い出になりました。お米券を贈って、私にも幸せが返って来た素敵な出来事でした。



ほのぼの賞 みおままさん 大阪府

たくさんの気持ちが詰まったお米券

 

若いころ、実家がいろいろあり経済的にとても窮地に陥った時期がありました。
働いてもまともにご飯も食べれなくて、すごく辛い時期でした。心配した友人たちが援助を申し出てくれましたがそこまで甘えることはできず断り続けて毎日なんとか過ごしていました。誕生日が近付いたある日、友人が数人やってきて誕生日プレゼントといって封筒をくれました。中をあけてみるとたくさんのお米券が入っていました。「援助ができないなら誕生日プレゼントでお米をプレゼントする。これなら物のプレゼントだから援助じゃないよ。」って言われたときに涙が止まりませんでした。お米を食べたのも久しぶりですごくうれしかったです。若いころの経験ですが、私にとってあれ以来、お米券はすごく特別なもので、大切な人への贈り物などよく使っています。



ほのぼの賞 くーさん 大阪府

感動のお米券

 

駅を出るとき雨が降ってて傘を持ってないおばあちゃんがいたのでタクシー乗り場まで私の傘に入れてあげました。
タクシー乗り場に着いた時おばあちゃんが小銭いれ?からしわくちゃのお米券をくれました。タクシー代金くらいしかお金持ってないからと言われました。
いらないと受け取りを断りましたが
本当に久しぶりに暖かい気持ちになったからお礼や。と笑顔でタクシーに乗られ
行きました。
あれから一年たちますが
しわくちゃのお米券使えずにいます。おばあちゃんありがとう



ほのぼの賞 ごんけりさん 長野県

退院のお礼に。

 

数年前に遠方の地で3ヵ月半入院生活をおくっていました。初めての長期入院、しかも遠方で不安だらけでしたが、お部屋のみなさんや違うお部屋の方々によくしていただいて学校の寮のような環境でとても居心地がよいものでした。
退院するときに、お世話になったみなさんになにか贈りたくて、後日お礼状と一緒におこめ券をお贈りしました。
「みなさんも早く退院して美味しいご飯いっぱい食べて欲しいな」という想いをこめて☆
届いたその日にお電話をいただき、『今まで退院された方から、おこめ券をいただいたなんて初めてで、とてもうれしいってみんな言っていたよ。退院したら美味しいご飯いっぱい食べれるって言うと、病院のご飯がおいしくないみたいでいけないけど(笑)、やっぱりホカホカのご飯を家族一緒に食べれるって幸せなことなんだって、長期入院してつくづく思ったから、おこめ券本当にうれしかったよ!!!ありがとう。』
と言われて、おこめ券を贈って本当によかったと思いました。ホカホカご飯を家族で食べれることって幸せなことですから!!!



ほのぼの賞 はなびさん 大阪府

初任給に

 

現金を渡すのは照れてしまいますし、でも実家に住んでるんだから渡さないと
でもプレゼントを両親にってのもちょっと出費が多いしなぁって思った時に
思いついたのがおこめ券、これなら毎日食べるご飯だし、お父さんもお母さんも
娘の初任給でくれたおこめ券、だから良いお米を奮発って思ってくれるかな、朝ご飯はいつもご飯食だった我が家、しかも父は新米に目の無い人でした。
で思い立って、私も奮発!少ない初任給から3万円分のおこめ券とお花をセットして渡しました。両親は泣きはしませんでしたが、すっごく驚いて喜んでくれました。
しかも、現金でなく、こういったものを選ぶセンスを喜んでくれました、特にまだ会社員として働いていた父は「こういう感性は大切にな、ちょっとした気遣い、心遣いは大切だよ」って言ってくれました。
それ以降、結婚して離れて暮らしてますがまだこの話は出てきます、って多分初任給を現金で渡してたらこんなに話題にはならなかっただろうな。



きらきら賞 ゆかりまいさん 愛知県

(無題)

 

子育てがんばってね。

おばさんからお祝いと共に届いたのは
お米券だった。
出産のお祝いといえば、普通洋服やら
赤ちゃんにまつわるものだと思っていたわたしは
少し驚いた。
赤ちゃんに「おこめけんもらったよー」
と話しかけてみるも
目をパチクリさせるだけ。

さっそく近所のお米屋さんにでかけた。
沢山つみあげられたお米たちの中に
ひときわ目立つ新米の文字。
私はクスッと笑った。
..私と一緒だ。
おばさんはそういうジョークが好きな人だった。
私はとっておきの新米をお米券で買って帰った。
丁寧に洗ってゆっくりと土鍋で炊いてみた。
蓋をあけると、そこにはイキイキと元気に輝く
お米が光っていた。
この新米のように、イキイキとした
お母さんになれるようにがんばろう。
私は小さな手を見つめながらおばさんのエールを受け取った。



きらきら賞 とってもお米券さん 東京都

お米券

 

大学1年生のある日、母からお米券が送られてきた。田舎から東京に出てきて、一人暮らしの資金繰りに必死になっている7月だった。
実家は米どころであったので、周囲の友人はみな精米を送ってもらっていた。疑問に思っていると、お米券の中に、添えられていた母からの手紙。
そこには「形あるものを送ることは簡単だけれども、一人暮らししている今だからこそ、自分で買い物をする大切さ、そこでの人の温かさを感じて欲しい」という内容だった。お米ではなく、お米券。そこに、確かに感じた母の温かさだった。



きらきら賞 おこめママさん 愛知県

親孝行?

 

私には、中学生と小学生の息子がいます。
2人ともサッカーが大好きで毎日動き回っているからか毎日の食事の量がハンパありません。
2人ともドンブリ2杯ぐらいは普段から食べます。
ただ困ってしまうのは、「お母さんの料理で何が一番好き?」と聞くと決まって
中学生「ごはん!」
小学生「ごはん!」
と、2人ともおかずではなく「白いごはん」が好きと言うのです。
私の料理が下手なのか?ごはんがおいしいのか?

そんなある日。
2人の子供が「お母さん、母の日」といって封筒をくれました。
中を見ると。。。
なんとおこめ券が一枚入っていました。
2人がおこずかいを出しあって、内緒でお父さんと500円のおこめ券を買いに行ったそうです。
「でもなんでおこめ券なの?」と子供たちに聞いてみると
中学生「毎日たくさんごはん食べちゃうから家計の助けになると思って」
小学生「ごはんをもっと食べたいから」
だそうです。(笑
中学生と小学生で考えも違うもんだと感心しました。
2人がおこずかいを出し合って買ってくれたことはもちろん嬉しかったですが、
おこめ券を通して2人の成長の違いをかいま見れたことも嬉しかったです。
このおこめ券はせっかくもらいましたが宝物として大事にとっておきます。



きらきら賞 れーさんさん 京都府

『幸せのにおい』

 

我が家は、皆、ごはん大好きファミリーです。ご飯の炊ける匂いは、『幸せのにおい』だねと、家族に、いつも言っております。お中元・お歳暮などで、お米券をいただきますが、一番嬉しいです。普段は、コシヒカリの普通米を購入しておりますが、おこめ券を頂いた時には、奮発して、ミルキー米とか、魚沼産とかの高級品を購入します。年に何度かですが、至福のにおいに包まれる日が、我が家にも訪れます。



うるうる賞 ゆずりはさん 福岡県

母の心配

 

二十歳そこそこで結婚した私を過保護な母はとても心配し、毎日のようにちゃんとご飯は作れてる?食べれてる?と電話がありました。
最初は嬉しかったけど、あまりにしつこいので、「うるさいな!大丈夫だからもう電話して来ないで!」っと言って電話を切りました。言い過ぎたのは自分でも分かっていたのですが、謝るタイミングを逃してしまい、数週間が過ぎてしまいました。そして前触れなく届いた母からの小包の中に、「うるさくしてしまってごめんね。身体だけは大事にしてね。」という手紙と共に、お米券が添えられていました。きっと毎日食べる物だし、私がお米が大好きな事を考えて送ってくれたのだと思います。母がどんな思いで電話してくれていたかを思うと、涙が溢れて止まりませんでした。母が送ってくれたお米券で買ったお米の味は一生忘れないと思います。



うるうる賞 なな89さん 栃木県

有難う

 

私は震災当時宮城県に住んでいた。震災時食べるものがなく困った。毎日スーパーに並びほんの数点買うことしか出来なかった。そんな時、親戚からお米券を頂いた。彼女も被災者。自分は一人暮らしだし、家族の多いあなたにあげると。前に友人から頂いて、いつか使おうと大事に取っておいたものらしい。ありがたく頂き、すぐには使えなかったが後日使わせて頂いた。小さい子供がいる我が家には大助かりだった。色々な修理や家財道具の購入に費用もかかったなか本当にありがたく、そしてお米をなお一層おいしく感じた。頂いたプレゼントの中で、こんなに嬉しく感じたことはなかった。
人の温かみ、そしてお米の有り難みを感じた瞬間だった。
いつか私も大切な人にお米券をプレゼントしようと思っている。


 今回お寄せいただいたエピソードを通じて、「親から子供への想いをのせた仕送り」、「子供から親への感謝のしるし」、「出産祝いやそのお返し」、「とっさの時のお礼」、「現金を受け取らない方へのどうしても伝えたいお礼のしるし」など、それぞれの想いをのせて、実にさまざまな場面でおこめ券が活用されていることを知りました。

 また、新婚の思い出や一人暮らしを始めた時の思い出とともにおこめ券が存在していたこと、あるいは、おこめ券を受け取られた方からは、普段よりもおいしいお米を食べる機会ができ、あらためてお米のファンになったという話も寄せられました。

 贈る側、贈られる側のそれぞれの想いが物語となって、一編一編、その場面、場面が映像となって浮かぶ作品も多くありました。

 これからも、お米を贈る気持ちを乗せた「おこめ券」を通して、人と人とをつなぐ新しい物語が生まれるよう、心から願っています。


※本記事は2019年9月12日に「知る」から移設・公開しました。